2013年04月12日

混迷のCNTの北総鉄道問題

千葉県には、他に東葉高速という高額運賃の鉄道や、その他の第三セクターで進めたつくばエクスプレスが通っている。まちの発展のために交通アクセスの問題は、次世代をどうつなぎとめるかの重要課題である。

 そこで、各地域は交通アクセスの将来的展開には補助金をだしたりもする。TXには千葉県が131億円、柏市と流山市は各98億円を出資している。赤字が続くと、またさらに税金を投入せざるを得なくなる可能性もあるというリスクも負っているのだ。TX(つくばエクスプレス)の場合は、これらの反省もあって開発と新線建設という法的な後ろ盾となって、しかも、無利子負債がほとんどだ。一方で、運賃値下げの緩和策を考えるのが、北総鉄道の沿線自治体による通学定期券に対する補助だが、同じような要望のある東葉高速では実施できていない。(北総鉄道の場合は、沿線自治体にとって生命線でも、東葉高速は最悪無くても代わりがあるということかもしれないが。) 

 ここで、千葉ニュータウン(CNT)の建設の過程を振り返ってみたい。我孫子の市民も北総線を利用することはないが、布佐、新木、湖北方面の方々には、今やなくてはならない買い物の場所だ。1966年に千葉県が構想を発表し、1969年に都市計画を決定した。

 1970年、小室地区から事業が着手されたものの、用地買収は計画通りに進まなかった。その間に東京圏への人口集中が鈍化、住宅確保の緊急性が薄れたこともあって、当初の計画から大幅な変更・縮小を余儀なくされていった。これにより、当時都心への唯一の鉄道アクセス手段であった北総開発鉄道の旅客数低迷し経営悪化の主因となった。2004年7月に、都市基盤整備公団の資本撤退に伴い、「開発」の名を社名より外して北総鉄道株式会社とし、「北総・公団線」と呼ばれた路線名も「公団」を外して「北総線」とした。
 
 この一連の遅滞には、千葉県の収用委員会が委員不在が10年以上続いていたたことも痛かった。強制収用が出来ないのでCNT用地の地権者と地道に話し合うしか方法がない。このために、時間ばかりがかかってしまい、その間の利子負担が大きくなってしまったのだった。長年にわたる成田闘争の影響で収用手続きが進められない状態があったことは、首都圏でも千葉における開発計画に時間がかかる要因となり、そのため債務ばかりがかさむしかけだった。

 事情通は、そもそも友納知事に始まった様々な開発計画による千葉の政治の手痛いツケを県民が払わされているという。これまでもCNT計画の遅滞が各地へ波紋を引き起こしたが、森田知事就任直後の北総線値下げ宣言では、その値下げ幅で、沿線地域に混乱を引きおこして、裁判沙汰になっているのだ。

 それぞれ、自治体の事情が違えば、県予算が投入される額も違う。千葉ニュータウン(CNT)の計画に関しては、我孫子は直接に関係はなさそうだが、県税を払っていることからすれば関係ないわけではない。CNT沿線の家計の圧迫を軽減し、人口増を図るために運賃引き下げに県税を投入という。これまでは、印西、白井では独自に税金をあてるなどして緩和させる施策がされていたが、そこに県税を入れようとの英断であった。ところが今回の裁判に訴えている市民団体は、森田知事が提案した値下げ幅では少ない、更に言えば、京成電鉄の線路利用料が払われていないのが、北総線の高額運賃査定に響いていると指摘した。自治体が税金投入で値下げに取り組むのではなく、京成電鉄の線路使用料を追徴して値下げをすべきだとの経営の盲点にメスをいれる、市民としてはかなり専門性の高いハードな法廷闘争だ。

 3月26日の地裁の判決では経営運営は適切だなどとして、運賃設定は妥当だとしている。千葉県が開発したCNTの顛末のために、北総線運賃5%値下げに県税投入が決定され、それまでに千葉県や沿線自治体が協議を繰り返えした。もちろん、手強い交渉相手の鉄道側と折衝もしながら値下げ幅を出したものだが、白井市の市民団体が中心になった北総線値下げ運動は、ついに国を相手に裁判に訴えた他、前市長を不信任にする事態に追い込んで、そちらも裁判におよんでいるのだった。

 


posted by Nina at 11:19| 千葉 | Comment(0) | TrackBack(0) | chiba | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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