日本文化は、強大なエジプトの「ピラミッド」、古代中国の「万里の長城」など支配階級の強大な遺産を残してはきませんでした。それら大きな物は、見つけようとしなくても、目に見えますが、日本は古代から庶民の文化が残っている国だったかもしれない。自国の産物で食いつなぎ、干拓・開墾やりくりの庶民の知恵を生かす小さな島国だった(そうはいっても琉球処分、蝦夷、朝鮮への出兵の権力行使もありましたが)ようです。その庶民の暮らしをheiwaに守る為に鎖国令をした江戸時代には他国に例を見ない、他国の富を奪う事も自国を攻撃されることもないようにしました。
庶民の生活文化の遺品は布きれ、瀬戸物などと小さいので、見つけること自体がむずかしく、発見すること自体が奇跡かもしれない。庶民一人一人は確かに小さい単位かもしれませんが、その小さい存在が日本の文化を創ってきた。 「もったいない」が環境保全の合言葉に選ばれエコ推進を元々してきた。
『ミシュランガイド』は東京に最多の星を付けた。その日本に生きている人達はこうしたささやかな文化を幾層にも重ねてきたことに自信を持つべきです。戦後社会も半世紀、日本以上に欧米社会に蔓延する閉塞感の中でも、世界のために何ができるか、考える地球市民として文化を創ってきたことを生かす時です。
たび重なる災害で失ったものも大きいけれど、だから「もったいない」とあらゆるものを長く大切に維持しようと心配ってきたのも日本人です。その昔、ジパングと言われて憧れをもって世界が押し寄せた頃から、ふたたび世界がその文化を見直してきたことに、今の日本人は改めて誇りを持つべきです。脱亜入欧の明治維新を経て敗戦、小さい島国とはいっても人口が1億人を超える国がいくつあるでしょうか。人口が密で、300年も平和な江戸時代を経過してきたおかげで、数々の世界最古の文化を維持してきた和なる国・日本は注目大です。
そのような日本の中で、我孫子市指定文化財(2013/12/28)となった井上邸のような庶民文化をほぼ完全に保存したという住宅はそうは残っていないと言うことです(文化庁)。:江戸時代に繋がる庶民文化が残る貴重な史跡です。訪ねてみたい方は、週末の公開日に是非いらしてみてください。