昨日に続いて、脳についてです。
脳は知能に関わる大事な機関ですが、相反する情報を脳は同時に受け入れることはできません。例えば、不満などを感じるのは、左脳が二者択一の「理論」で、面白くないと分析していく思考回路になるので、何かが起こり不満だという結論を出すまでには0.4秒かかります。
しかし、あらかじめ脳に感謝という「感情」があなたにインプットされていれば、感謝という「感情」が起こるにはたった0.1秒なので不満は感謝のスピードについてこられません。
なんとそれをよくわかっていたのが、紀元前に生まれていたお釈迦様だというのです。
お釈迦様がすすめた教えに、“六方拝”があります。これは“東西南北天地”の六方に感謝するというもので、東を向いて両親やご先祖様に、西を向いて家族に、南を向いて恩師に、北を向いて友人に、天地は大気、大地など自然のすべてに感謝をします。このようにすべてに感謝をすると「生かされている」という感謝の念が生まれてきます。
そして、この世に生を受けるまでには、20代前で104万8576人のご先祖様の存在があり、この中で一人でも早世していたり、ほかの人と結ばれていたら、あなたという存在はなかったのです。
そこまで遡って感謝をしなくても、兎も角、感謝するクセをつければ、不満や怒りなど、否定的な感情は生まれないということになります。つまり、嫌な人やキライな人に会ったときは、気持ちとは逆に、感謝の言葉を口にするということをすると、これまでの不快感に劇的な変化が起きてきます。なんとなれば、キライな人の態度や言動がなぜ気になるかというと、自分にも似たような欠点があることが多いからということがあります。人は自分の鏡であり、そのことを気づかせてくれたことに感謝なのです。
憎しみ、悲しみ、怒り、不平不満といった否定的な感情に集中してしまうのは、感謝が足りないからです。
西田文郎『驚きの最強思考「赤ちゃん脳」』 ワニブックス