そんな毎日なので、今日も温か〜い話題、温泉についてです。
ご存知、世界一長寿の日本人、その秘訣は入浴にあるのかもしれません。毎日決まった時間の入浴を続けていると、エストロゲンだけでなく、炎症を鎮めるはたらきのある「コーチゾル」というホルモンの分泌の乱れが調整され、日を追うごとに安定するのだそうです。また、体調を整えるさまざまなホルモンが分泌されるのだそうです。
入浴で体を温めると、血管(特に抹消血管)が広がり新陳代謝が高まり、体内の不要物の排泄を促します。疲労回復は、疲労物質「乳酸」が排出されるための効果です。体表面にかかる静水圧により全身に圧力がかかり、内臓が刺激され、内臓運動となります。つまり、天然マッサージの状態です。特に、脚には全血液量の約三分の一が集まり、この血液が心臓に送り返されるため「脚は第二の心臓」と言われますが、この脚の血液は陸上では重力が邪魔をして血液が心臓まで上がりにくくなります。そこで入浴すると水圧で血管が細くなり、血液が心臓に向かって押し上げられ、その結果、下肢の静脈の流れが良くなり、血液やリンパ液の循環も活発になっていく効果が得られるのです。お湯に肩までつかった時、体の表面積全体では、なんと約1トン以上もの水圧がかかる計算になるのです。全身浴ではこの水圧により心臓への負担が大きいので、心臓に負担をかけない半身浴や足浴では静水圧が減少されます。ゆったりした入浴は、人間の自然治癒力を高めます。
さらにイイのが温泉ですが、その中でも「美人の湯」と言われる温泉は、カルシウム・ナトリウム・マグネシウムー硫酸塩・炭酸水素塩温泉で、すべての泉質を併せ持っている所です。硫酸塩泉は血管を拡張して、血液の流れをスムーズにするため、高血圧、動脈硬化にも効果があります。また、その含有イオンにより下記のように分類されています。
■カルシウム硫酸塩泉(石膏泉):カルシウムによる鎮静効果があります。高血圧、動脈硬化、脳卒中、慢性の関節リウマチにもよく効きます。昔から、うちみ、切り傷、やけど、痔、ねんざなどに効能があるとされてきています。鎮静効果は、皮膚病にも働き、慢性湿疹、にきび、皮膚のかゆみに効能があります。
■ナトリウム硫酸塩泉(ぼうしょう泉):マグネシウム硫酸塩泉(正苦味泉):高血圧症の血圧を低下,傷の全治伝説には、この温泉が多いのです。
しかしながら、全国でも昔から名湯と呼ばれる「硫酸塩泉」は、数は多くはありません。さらに源泉温度が熱いほど溶解している効能成分は多く、それらを兼ね合わせた温泉の一例が赤倉温泉だということです。効能成分が一定量に達していない単純泉でなく、単純泉を除く泉質8分類のいずれかであることが温泉の裁定条件ですが赤倉温泉は、なんと、硫酸塩泉、炭酸水素塩泉という2つの重要な泉質を併せ持っているのです。赤倉温泉の源泉は、妙高山の北地獄谷にあり、自噴しています。数箇所の源泉は、各々40〜60度で、集中湯枡にて、51.1度となります。その後、温泉街まで数キロの旅を経ますが、配管内での摩擦により、各施設の湯口で48度程度に保たれます。そして、浴槽に温泉が満たされると、もっとも気持ちのよいと言われる42度前後(季節により多少異なります)になるのです。源泉温度が低いと加熱しなければならず、逆に熱すぎると水でうめて効能成分を薄めてしまうことになります。また、時間をかけて冷ましては、温泉の鮮度が落ち、効能成分の一部が失われるのです。その点、赤倉温泉は、まさに自然が恵んでくれた湯加減となるのと、効能成分を多く含んだ温泉に見られる特有の現象・湯の花が咲くのです。温泉に溶解している効能成分が、温度変化により(適温に下がる過程で)、固形化するもので、効能の素であり、本物の温泉の証といえます。赤倉温泉の湯は、正式には「カルシウム・ナトリウム・マグネシウムー硫酸塩・炭酸水素塩温泉」で、すべての泉質を併せ持っているのです。赤倉温泉の湯は、「硫酸塩泉」との相互作用から、湯上りにさっぱりした感じがありながら、湯冷めしにくいということです。
赤倉温泉郷にある香嶽楼:Photo by N.Kaizu
国際基準のホテルとして草分け的存在
(軽井沢を別荘地に再生させた一人でもある鹿島岩蔵が建てた)
温泉に出かける事は、転地療養効果が得られ、特に5〜6日で活発になり、1ヶ月を過ぎると薄れます。もちろん1泊2日でも転地効果はあり、免疫力向上効果は得られますが、できれば「一週間滞在」をお勧めなのだそうです・・・・。また、その間に自然散策などをすると、その環境が五感に刺激を与え、脳内のホルモンを調節する内分泌系や呼吸、消化といった生命維持活動をつかさどる自律神経の中枢に上手くスイッチが入るようになる相乗効果が考えられます。
高血圧等の症状緩和で湯治をおこなう場合は標高1,000m以上の空気が薄いところは適さないといわれます。その中で「転地効果」を考えると、標高300〜800mの森林の多い高原地帯がよいといわれるので、その点でも森林浴も可能な赤倉温泉は理想的な場所だそうです。
ついでですが、温泉から出る時に、お湯で流すかどうかですが、酸、硫酸のPHが高い表示の温泉は肌の弱い人はかけた方がいいそうで、塩のPHが高いだけなら問題はないそうです。一般の人はせっかくの温泉の恵みを洗ってしまうのはもったいないです。それと入浴後は、発汗作用により、水分、特にミネラルが不足して、血液が「ドロドロ血」の状態になりやすいため、入浴前・後には、麦茶、ミネラルウォーターなど水分を十分補給してください。特に、高齢者には水分の補給は必須です。入浴前・後に必ずコップ1杯の水を飲むという習慣をつけましょう。補給する水分の温度としては、体に負担をかけない冷たくない水がよい。さらに効果をたかめるには、熱によりビタミンCが損なわれるので補給すると良いそうです。オレンジジュースは理想的なドリンクの一つです。失われた汗に含まれるナトリウム、カリウムなどが配合されたスポーツドリンクも効果的です。