望ましくない傾向がみられる中でも、上手くいっている部分や、お手本となる成功例がある場合に、その部分は明るく輝いている場所だとして、「ブライト・スポット」と呼ぶ。
特に人の行動についていうとき、好転するキッカケとは知識や理屈を習うのでは、それまでの習慣、行動を変えることはできないという。今までしてきた行動を変えるときは、自分で納得したときだけだ。
一番違和感なく納得できることは、身近なこと、自分にもできそうだと感じた時だ。それは似たような環境の人たちの成功事例が参考になる。
いくら人を叱咤激励したところで、改善はない。同じような環境、能力と思える人であったり、同じような規模の組織であったりしたところの成功例、プロジェクトXのような、みんなの長所や頑張りによって、危機を打開したり、力を出し合ったり、ちょっとした優れたところを見つけ、それを足して伸ばすことが、もっとも効率的な成功法則だと気づく元なのだ。
何かしら長所を見つけ、励みになるように互いを伸ばすと、その人が、地域が、明るく輝くことになる。それは、どこにでも起こりうるが、実際にはその現象は簡単にはおきない。なぜなら、そういう事を信じないし、騙されたと思ってやってみようとの行動に繋がらないからだ。プロジェクトXは、けして元々立派であったとも思えない所で、偶然が重なったかのように成功の階段を少しずつ登って行って成し遂げた人たちの症例を短時間でみるので、ちいさな力の寄せ集めが積み重なって成功に到達したと納得して、ちょっとは自分にもできるかななどと明るい気持ちになれるところが、ミソなのである。
やならければならない同じ目的を共有し、ダメになりそうな時に誰かが知恵を持ち寄り、少しの励ましが大きな結果を引き起こす。なぜか、感動する「ブライトスポット」は我孫子の中にも幾つも発見できそうだ。
最近に耳にするようになった「ほっとすぽと」とは、その市の全部の地域について言うのではない。放射線量が高い部分があるということだ。事実は、事実だが、これもよくよく調べる人たちがいて分かったことで、目に見えない放射線が分かってきたのである。だから、調べなくては実態は知らないまま、日々、汚染の箇所を改善もされずに暮らしているはずで、放射線量高濃度地域もあるのに、認識できていない地域もあるのに違いないので。例えば、除染指定地区の認定を返上してしまったところは、除染作業の進展が遅れるだろうし、改善を望む人達は声を上げにくいはずだ。
「ほっとすぽっと」の認定は、一件迷惑な話だが、実は真摯な地域の取り組みが認められて、励まし合える気分のあるところはささやかな母の声が反映しやすい「ブライトスポット」がある地域ではないのか。
「スピリチュアルスポット(和製英語のパワースポットに当る)」がある地域は、なぜか、いい気が集まって邪気を打ち払うという。なぜか、そこは水に関係した場所である。水は、浄化作用があるので、昔から水の湧くところは清められて大切にされてきた。ささやかな存在を頑なに守れる所には、神様(天子様)が降りてくるようだ。
あとは、信じるかどうか、行動するかどうか、だけである。
私が住んでいる場所は、昔の人は「天子山」と言ったのだそうで、お天子様が通る場所があったからだとか聞いている。それで、自治会名が「天子山自治会」との名残になっている。我が家は「ほっとすぽっと」除染作業(8月30日〜9月29日)をする公園のまん前だが、気持ちを明るく保つために行動を開始中である。