2012年09月08日

ふくしま集団疎開訴訟、却下(2012/12/16)

ふくしま集団疎開訴訟についての討論 (動画↓画面をクリック)


上杉隆、汐見稔幸、生井兵治、中野ともよ、メリ・ ジョイス(NPOピースボート事務局・オーストラリア出身)井戸謙一(志賀原発勝訴の際の裁判長、ふくしま集団疎開訴訟の弁護士、1ミリシーベルトを越えている 仙台高裁へ)のパネラーが、それぞれのデモス、国家論(教育論 エミール 民主主義の理論)なども言及しつつ討論が繰り広げられている。

*種蒔きジャーナル・ラジオの取材にふくしま集団疎開裁判」に向かう際のの弁護団長を務める福島県郡山市の柳原敏夫氏が説明
http://www.youtube.com/watch?v=DYSXnh3N1dA 

*ふくしま集団疎開訴訟は「却下」!?
 http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2012/03/blog-post.html
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【速報】ふくしま集団疎開裁判 決定は「却下」
ふくしま集団疎開裁判は2012年12月16日、福島地裁郡山支部(清水響裁判長)により「却下」されました。→裁判所の決定(2頁に「判断の理由の要約」13頁末行から最後までが判断の理由のポイント)
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結論となる主文は「本件申立を却下する」というものです。

 決定中には「判断理由の要約」として、以下が記載されています。

 「放射線による影響を受けやすい児童生徒を集団で避難させることは、政策
的見地からみれば、選択肢の一つとなり得るものである。しかし、債務者に
は、郡山市に居住する他の児童生徒が存在する限り、教育活動を実施する義務
があり、教育活動の性質上、債権者らに対する教育活動のみを他の児童生徒に
対する教育活動と区別して差し止めることは困難である。債権者らの申立の趣
旨は、事実上、債権者らが通学する小中学校の他の児童生徒に対する教育活動
をも含め当該小中学校における教育活動の実施をすべて差し止めること等を求
めるものと認められるから、その被保全権利の要件は厳格に解する必要があ
る。しかるに、債務者による除染活動が進められていることや放射線モニタリ
ングの結果などを考慮すると、現時点において、警戒区域でも計画的避難区域
でもない郡山市に居住し債権者らと同じ小中学校に通学する他の児童生徒の意
向を問うことなく、一律に当該小中学校における教育活動の実施の差止めをし
なければならないほど債権者らの生命身体に対する具体的に切迫した危険性が
あるとは認められない。また、債権者らに対する損害を避けるためには、債権
者らが求めている差止め等が唯一の手段ではなく、区域外通学等の代替手段も
ある。したがって、本件申立てについては、被保全権利が認められない。」

2 今回の決定の骨子は次のようなものです。
(1) 債権者らは、債権者らを避難させることを求めているが、実質的には、各
学校における他の児童生徒の教育活動の差止めを求めているから、その被保全
権利の要件は厳格に解する必要がある。
(2) 現時点で、他の児童生徒の意向を問うことなく、一律に各小中学校の教育
活動の実施の差止めをしなければいけないほど、債権者らの生命身体に対する
切迫した危険性があるとは認められない。その理由は、(1) 空間線量が落ち着
いてきている、(2) 除染作業によって更に放射線量が減少することが見込まれ
る、(3) 100ミリシーベルト未満の低線量被曝の晩発性障害の発生確率につ
いて実証的な裏付けがない、?文科省通知では年間20ミリシーベルトが暫定
的な目安とされた、?区域外通学等の代替手段もあること、等である。

3 裁判所は、まず、被保全権利がないこと、すなわち、子供たちに切迫した
健康被害の危険がないことを理由に、申立を却下しようと考えたのだと思いま
す。しかし、その点だけでは決定理由を書けなかった。そこで、他の子供達に
ついても避難させようとしているなどということを持ちだして、「被保全権利
の要件を厳重に解する必要がある」などということを言い出したのです。確か
に、私たちは、14人の子どもの避難だけではなく、他の子供達の避難も実現
したいと思っていました。しかし、それは、裁判所の決定が出た後の行政交渉
で実現できることであって、司法で実現できることではないし、司法判断の対
象になるものではないと位置づけていました。個人の権利救済を目的とする民
事訴訟手続においては、それは当然のことです。審理の対象は、申立人の子供
たちの健康被害を避けるために、申立人の子供たちを避難させる必要があるか
どうかだけなのです。他の子供達に対する事実上の影響の問題を司法判断に持
ち込み、厳しい要件を課したのは、民事訴訟の原則に違反するものであると考
えます。

4 100ミリシーベルト以下での低線量被曝のリスクが証明されたとはされ
ていないことや文科省の20ミリシーベルトの判断を理由に子どもの健康のリ
スクを否定した内容は、結局、行政の判断に追随しているだけであり、司法の
役割を全く果たしていないというしかありません。チェルノブイリでの避難基
準との比較、ベラルーシやウクライナの子供たちの現状、福島の明日は今のベ
ラルーシやウクライナであること、多くの子供達が被害を受ける危険があるこ
とを、裁判所はどう考えたのでしょうか。科学的な証明のためには膨大なデー
タの収集が必要であり、そのためには長い時間がかかります。児玉龍彦東大教
授が言っておられるように、科学的に証明できてから対策をとっても遅いので
す。ことは子供たちの生命、健康の問題です。予防原則が徹底されなければな
りません。我が国の政府は、国民に対し、年間20ミリシーベルトまでの被曝
をさせる意思です。ウクライナやベラルーシでは、年間5ミリシーベルトを超
える地域は強制避難地域とされました。それでも大変な健康被害が生じていま
す。我が国における子供たちの保護が、旧ソ連の各国よりもはるかに劣ってい
ること、そのことを我が国の司法すら安易に追認することに驚きを禁じえませ
ん。

5 司法の仕事は、苦しみの中で救済を求めている市民を救うことであって、
市民を苦しめる行政の行為にお墨付きを与えることではありません。

 今回の裁判所の決定に対し、私たちは十分に検討の上、今後の道を探りたい
 と考えます。

福島地方裁判所郡山支部による仮処分申立に対する決定文
https://docs.google.com/viewer?url=http%3A%2F%2F1am.sakura.ne.jp%2FNuclear%2F111216decision.pdf

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 12/18の朝日新聞一面に「避難基準 年20ミリSv「妥当」」という記事がありました。細田原発相は「20ミリシーベルトで人が住めるようになるということだ」と言っています。報告をまとめた有識者会議(ワーキンググループ)の主査は長滝重信と前川和彦という悪名高い御用学者で「100ミリSvでも問題
ない」と発言した人たちです。

 年間被曝線量をめぐっては、小佐古敏荘教授(内閣参与)の20ミリSv涙の抗議や、武田邦彦教授の「いま100ミリSvまでは大丈夫と言っている人に、私は長い間真逆のこと、つまり1年に1ミリSvは危ないと教えられてきた」などの一連の発言もあり、子どもを守ろうという運動も全国に広まってきました。そうしたなかでしつこく20ミリSvを強要しようとする策動に憤りを感じます。

 1ミリSvは平常時の規制値で緊急時被曝は1−20ミリSvなどと言っていますが、全くのごまかしです。ICRPのいう緊急時は2・3日長くて1週間です。10か月も放射線放出が続くことなど考慮していません。

 12月2日裁判所に提出された矢ケ崎克馬さんの意見書では、チェルノブイリ周辺国避難基準に当てはめると、原告14人の子どもたちが通っている学校はすべて移住義務区域に相当します、と言っています。年間被曝線量5ミリSv以上です。1時間当たり空間線量にすると0.571マイクロSv/hに相当します。
そもそも日本の法令では一般人の年間被ばく限度は1ミリSvです。この1ミリSvには内部被曝は含まれていません。法令では、内部被曝含めて年間被曝量1ミリSvの場所に市民を留めることは違法です。
 行政が法令通りに市民を守ってくれないから市民は裁判に訴えるしか方法がありません。この裁判には子供の命、未来がかかっています。負けるわけにはいきません。

 これに対し、原発推進グル―プはまず除染するので待ってほしいとか、タバコやほかの発がん物質のほうが危険だとか言っています。しかし法令とはそういう論争のレベルとは別に扱うべきことです。農薬や重金属、添加物などの発がん物質にはそれぞれ規制値があります。発がん性の強さに応じて、1000ppm以上の規制値のものもあり、0.001ppmのものもあります。通常の食品・食品原料を例にとると、たとえばリンゴではCAPTANという農薬の規制値があります。しかし、別の食品原料HにはCAPTANの規制値はあ
りません。つまり、この農産物Hの中にはCAPTANは検出せず(ND)でなければならないのです。ND限界は0.001ppmより小さい値です。輸出国で分析し、輸出予定のH10トンを分析しCAPTANが検出されれば輸出できません。国産のHも同様です。廃棄処分です。この場合、これは原料であり最終製品の食品では100倍に薄まるとか、この食品をたべても直ちに健康に害がないとか、誰も言いません。これが発がん性物質に対するこの国の態度です。発がん性の物質は多数ありますから、一つ一つ規制して市民の健康を
守るのが法律です。農薬の基準も見直しが毎年行われ、厳しくなるものもその逆もあります。そういう「科学的」議論と規制の変更はありますが、変更がない限りは何も言わずに守るのが市民の義務です。市民だけ法令を守らされて、作った人たちが守らないのは許されません。

 ましてや放射線被ばくは放射線に弱い子どもの命がかかっています。しかも法令では内部被曝は無視または外部被曝の10%にしか見ていません。内部被曝を100%に考慮する学者も数百倍危険という人もいます。実際チェルノブイリではベラルーシ・ロシアの多くの子どもたちにがんや白血病のみならず、あらゆる場所の癌やその他の病気(目、心臓等)も起こっています。放射線は細胞中の水を分解して活性酸素を発生させ、このフリーラディカルが免疫機能を弱めるからと言われます。免疫機能の弱い胎児・幼児・子どもが一番危険な
わけです。

 
posted by Nina at 00:00| 千葉 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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