先月、24日の衆院予算委員会で討論では、厳しいやり取りが行なわれ、ウォン安のため5兆円を貸し出したのは韓国からの要請からだったのか、スワップ協定がある日本であるから日韓関係持続のため提案したのかという、国会でのやりとりもあった。オリンピックのメダリストたちが銀座での凱旋パレードに大観衆が集まったなど記憶に新しいが、オリンピックの会場の一場面からも尾を引く日韓関係は暗転している。
【8月】 日韓関係の最近の主な動き
10日 李明博大統領、竹島に上陸
同日 武藤正敏駐韓大使、一時帰国(22日帰任)
11日 オリンピックサッカー日韓戦、銅メダル決定後の韓国選手が「独島はわが領土」のメッセージボードをもって競技場内を駆け巡る
13日 韓国とのスワップ協定は維持(昨年10月に合意したスワップ協定では、韓国への資金支援枠は従 来の5倍以上に増え、総額700億ドル(約5兆5千億円)と首相表明。
14日 李大統領、天皇陛下訪韓時の謝罪を要求
15日 李大統領、植民地支配からの解放記念式典で慰安婦問題での「責任ある措置」を要求 17日 野田佳彦首相、李大統領に竹島問題などに関する親書を送付
同日 安住淳財務相、財務対話の延期と通貨協定の見直し検討を表明
21日 日本政府、竹島の国際司法裁判所への共同提訴を韓国側に提案
22日 玄葉光一郎外相、韓国による竹島実効支配を「不法占拠」と発言
23日 韓国、野田首相の親書を返送、日本側は受け取り拒否
24日 野田首相の韓国に関する遺憾の意に対し、韓国大統領が即刻意見表明
■ 大統領の天皇発言「悪意ない」=日本の反発に「驚き」−韓国高官
【ソウル時事】Byjijiドットコム(2012/08/23-22:00)
韓国大統領府高官は23日、天皇陛下の訪韓には過去への謝罪が必要との李明博大統領の発言について、「歴史問題についての原則的な立場を述べたものであり、悪意は全くない」と釈明した。
同高官は記者団に「日本人の中には心を痛めた人も多いようだ。独島(竹島)に行った後で出たので強調されたが、意図的な発言ではない」と説明。「(李大統領が)日本の天皇への国民感情を知らないわけではない」とも語った。
大統領発言に対し、野田佳彦首相が謝罪と撤回を求めたことには、「国会で質問があったので、あのように話さなければならない政治的事情があるのだと思う」と述べた。
また、大統領の竹島訪問後の日本の反発について、「少し驚いている。何も言わないとは思わなかったが、考えていたよりも感情的で、過剰な対応をしていると思う」との見解を示した。
■ 竹島提訴、特定の立場取らず=「国際法による解決」言及なし−米国務省
【ワシントン時事】ByJijiドットコム(2012/08/24-05:44)
米国務省のヌーランド報道官は23日の記者会見で、竹島領有権問題の国際司法裁判所(ICJ)への日韓共同提訴について「われわれは特定の立場を取っていない」と述べ、提訴を提案した日本政府とこれを拒否する構えの韓国政府のどちらからも距離を置く姿勢を示した。その上で、日韓両国に話し合いで問題を解決するよう強く求めた。
報道官は「日韓とも強固で貴重な米国の同盟国であり、両国間のいさかいが米国にとって心地よくないことは明白だ」と指摘。さらに「両国に対するわれわれのメッセージはこれまで同様『話し合いを通じて何とか平和的に解決しなさい』というものだ」と語った。
外務省の杉山晋輔アジア大洋州局長は22日、竹島問題に関して「国際法に基づいた平和的解決が重要」との認識で米側と一致したと語っていた。ヌーランド報道官は、平和的解決は強調したものの「国際法」には触れなかった。
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<竹島・尖閣と天皇謝罪要求>衆院、24日に「抗議」決議
毎日新聞 8月23日(木)21時57分配信
衆院は23日の議院運営委員会の理事会で、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領の竹島(島根県)上陸と天皇陛下への謝罪要求発言に抗議する決議案と、香港の活動家の尖閣諸島(沖縄県石垣市)上陸に抗議する決議案の2決議案を24日の本会議で採決することを決めた。民主、自民、みんな、国民新、改革無所属の会、たちあがれ日本の6会派が共同提出し、生活、公明も加えた賛成多数で可決される見通し。
李大統領の一連の言動に関する決議は「李明博大統領の竹島上陸と天皇陛下に関する発言に抗議する決議」。竹島上陸を「強く非難する」としたうえで、政府に対し「韓国政府に政治的・法的に毅然(きぜん)とした措置」を取るよう要求。謝罪要求発言をめぐっても「極めて非礼な発言であり、決して容認できない」とする。
また、尖閣諸島に関する決議は「香港の民間活動家らによる尖閣不法上陸に関する決議」。活動家の上陸を「極めて遺憾で全く受け入れられず、厳重に抗議する」と強調。政府に対し「国内法令にのっとり、厳正に処分する」よう求める内容となる見通しだ。
決議案は各党間で文言の最終調整を続けており、24日の議院運営委員会で確定する。いずれも領土問題が対象だが「国家元首の不法上陸と非政府組織の行為は性格が違う」(民主党幹部)として、それぞれ別に決議案を上程することで各党が一致した。
共産党の志位和夫委員長は23日の記者会見で「尖閣の領有権は鮮明に日本にあるが、民主、自民両党ともきちんと主張してこなかった。竹島も交渉のテーブルを作ることが大事だ」と決議案への反対を表明。社民党の福島瑞穂党首も毎日新聞の取材に「尖閣や竹島の問題を政局的に利用しようとしている」と述べ、賛成できないとの考えを示した。【中井正裕】
出典:毎日新聞 8月23日