3・11東日本大震災以来、被災された方々をはじめ日本中がまだまだ不安な情勢が続く中でも、「このような時こそ『音楽の力』で皆さんを励まし、日本を元気にしたい」と、切に願ってのコンサートという事です。関東大震災、世界大戦も越えて、常に前向きに音楽に向き合って生きてこられた方の表現には、それだけで人を勇気づけるものがあるでしょう。柳兼子さん(東京音楽学校で、主席も同じ)といい、この世代の日本の女性音楽家は筋金入りの大和撫子、逞しく不可能と思える事に最後まで挑戦し続け、見事に感動を与えてくれるのです。それは日本のお母さんがシッカリ守り続けた優しさ、子ども達(未来)に伝え貫くということなんでしょうか。

室井さんは大正10年生まれのの90歳、6歳でピアノを弾き始め、24歳でオーケストラのソリストとしてデビューして以来、60年以上にわたって世界を舞台に活躍してきた女性です。モーツァルト「生誕200年記念祭」に日本代表としてウィーンに派遣される。同年、第1回ドイツ政府給費留学生に推挙され、ベルリン音楽大学に留学。ベルリンを拠点にして、研鑽を積む。1960年、世界最高峰ケンプ教授の推薦でベートーヴェンを4曲並べたリサイタルをベルリンで開催。まれに見る好評でヨーロッパにおける地位の第一歩を築いた。以降、海外13カ国で演奏を重ね、日本国内より国外に於いて名声を高め、64年にはドイツで出版の『世界150人のピアニスト』として紹介される。
驚いた事に今でも日に8時間の練習を欠かさないと云う事で、そのスタミナ源が何と肉中心の食事で、魚料理を食べた時は、1回の練習が1時間半しかもたないが、肉を食べると2時間以上の練習が出来るとの事です。ピアノの練習は、全身運動のため、8時間も練習するには確かに相当なスタミナがなければ出来ないですが、それにしても、90歳が肉食系のお食事とは驚きです。身体はさすがに若い時のようには動かないけれど、ピアノには毎日の様に新しい発見が有って、楽しくて辞められないのだという。若さの秘訣は、人生を楽しんで挑戦しているところ、スタミナ保持、体力を積極的につけることのようです。