昨年ノーベル化学賞受賞の科学者・根岸英一氏(パーデュー大学特別教授)は、「週刊現代」2011年5月21日号のインタビューに答えて、「東大の先生は東電に買収されている」と記事の中で爆弾発言をされています。多くの国民は「原発がないと電力不足になる」と洗脳されたままですが、根岸教授がそうはならないと明快に説明されています。
http://www.globe-walkers.com/ohno/interview/negishi2.html
根岸教授の発言を箇条書きします。記事原文は上記をクリックしてご覧ください。↑
1)原発は止めるべきだ。
2)エネルギー源の約8割を原発で確保しているフランスでは、めったに地震が起こらない。日仏両国を同じレベルで考えることはできない。
3)この事故は人災と言われても仕方ない。原発の立地をみてみると想定が甘い。
4)原発では高レベル放射性廃棄物が残る。このまま動かし続けていることはおかしい。
5)節電をすることを前提に議論することは本質的に反対。節電はあまりに消極的な姿勢だ。消費電力が小さくても同じ明るさが維持できる電球を作ることが、技術の進歩で可能だ。技術革新の方向に向かい、日本の技術力を進展させるべきでしょう。
6)節電を続けるより日本の高い技術力によって従来の商品より消費電力量の少ない新たな商品を作るなど、代替エネルギーの開発を急ピッチで進めるべき。
7)もっと注目すべきは波力発電。原発でない発電に取り組んでおれば、とっくに実用化されていてもおかしくなかった。いまだに波の力を電力に替えることができていないのはエンジニアの責任。
8)原子力に頼らない社会を実現するために日本で実施するべきだと考えているのは「スマートグリッド」だ。ITを活用して一定の地域内の電力の需給バランスの最適化やコストの最小化をするもの。すでにアメリカではいくつかの地域で導入ずみ。例えば、コロラド州ポルダーではそれぞれの家に太陽光発電のシステムを設置させて、これをコンピューターで制御して需給バランスを調整している。実はポルダーで使われている技術は、日本のもの。日本でもこの方法を地域ごとに導入すればいいのだが、「実現すると東電などの電力会社の利益は減ることになるのだが、それは仕方ない」という。
9)東大の教授は東電に買収されているのは現実。だから公平にものを言えなくなる。私は買収されていないからどこでも何に対しても自由に発言でき、原発を減らすべきだと主張してきた立場だ。この事故は原発建設ラッシュを止めた。原子力ルネッサンスが終わったこと自体は、この事故のお陰だろう。最近アメリカでも原発について聞かれることが多くなったという。
10)科学者やエンジニアのもっと努力すべき。原子力に替わる危険ではない代替エネルギーの開発に真剣に取り組むべき。必ず新らたな解決策がみつけられる。
3月11日、根岸氏は自宅のあるインディアナ州ウエストラファイエットではなく、横浜のベイシェラトンホテルにて、母校の湘南高校(神奈川県立)の同窓会をやっていたという。今回の福島第一原発の事故は天災によるものではなく、「人災」と根岸氏は捉えている。
今夏は緊急で仕方ないが、節電を前提に電力について議論することは本質的に反対という。節電は消極的な姿勢だという。
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