放射線被ばくを深く心配されている方々へ、ということで北村正晴氏(プロフィールは最期に掲載)のコメントがありましたのでご紹介します。
■現状と対策に関しての私的見解を記しておきたいと思います。
原子力史上最悪の原子力事故であるチェルノブイリ事故、大気圏内核実験などからは、100km、200km、いやそれ以上離れていても微量の放射性物質は移動していくことは確認されています。
多くの地域で観測されている放射線量の測定値はチェルノブイリ事故の時も、もっと以前にアメリカとソ連が軍拡競争を続けていて核実験をくりかえしていたころも、すでにわれわれ日本人が経験しているレベルであることも事実なのです。決して望ましくはないですが、距離100kmを超える地域、典型的には東京あたりでの今回の放射性物質放出量が数週間継続する程度であるならば、その実害は忍耐できる範囲であると個人的には考えています。
http://getnews.jp/archives/105218
■「内部被ばく」が新たな懸念になっているようです。でも経口摂取した場合はその大部分は体外に排出されます。
私は事態を楽観はしていません。でも関東地区にいる子供や孫たちを今避難させようとも思っていません。前に記したように避難という判断を否定はしませんが。
高いはしご車からの高圧注水と、外部電源の供給とは、事態の改善に確実に役立つとは考えています。そして、チェルノブイリ級の大爆発が起こるシナリオはとても考えにくいと判断しています。
北村正晴 プロフィール
1942年生まれ。東北大学名誉教授
東北大学大学院工学研究科博士課程(原子核専攻)修了。工学博士(東北大学)。研究分野はリスク評価・管理学、大規模機械システムの安全学。