師走、先生も走るという時期だ。私も忙しくしていたが、都内にいって山手線に乗って空いた席に座って買ったばかりの本を広げて読んでいたら上野を通り越したことに気付いた。そのときには乗り換えても仕方がない所まで来ていたから、諦めて山手線一周の間に本を読むことにした。お陰で、本も二冊に目を通すことができた。久しぶりに読書をするゆったりとした時間を得たと思えた。忙中閑ありとはこんな状況だろうか、いつも心が忙しさに追われていたから、ゆったりする気持ちを持つのはたまには許される、必要だと思った次第です。
その本の一節ではないけれど、最近、インフォメーションセンターに行った時に、壁に掛っていたパネルの文が目に焼き付いた。心に響く言葉だったので書き写しておいた。それをここにコピペしたおきたいと思う。何か、ゆったりとした気持ちにさせる我孫子の良さを伝えた文章だと思う。出来たら縦書きの方が、本来の感じをつたえられるかなと思うけれど・・・
ここは地上の美しい場所の一つだと自分は良く思った。
窓越しに吾々に沼を横切ってゆく渡しをいつも見る事が
出来る静かな日などは、それが岸から岸まで水の篠を残してゆく。
藻を取る為に船から投げている。
どこまでもどこまでも広がる円輪をみていると、いつか吾々も自然の中に入っている。
吾々は平和なこの我孫子を愛した。
とくに東京に行って疲れる時や、また他所で滞在が続く時、
いつも早くここに帰りたい気持ちを持った。
柳宗悦「我孫子から」大正十年
それでは、本年のお世話になったお礼を申し上げながら、
どうぞ皆様も良いお年をお迎えください。
海津にいな