「留学生は先生」という国際理解推進の学校プログラムに、このところボランティアに数回行っている。AIRA(我孫子市国際交流協会)の活動の柱の一つになっていて学校教育としても評価されている事業だ。始めてから10年以上になるが、当初は学校からも授業時間を割いてまでやれるのかと批判的な意見もあったようにも聞く。今でこそ評価が高いが、ここまで来るには、このプログラムを導入したいと考えて、続けてきた人たちの熱心な働き掛けがあったことが大きいのだろうと頭が下がる。
今や、どの学校の生徒たちも「留学生が先生」でお話を聞くのを大変に楽しみにしているという。私は、小中学校ともボランティアに行ったが、特に小学校の生徒たちの反応がいいのには驚いた。次々に積極的に質問してくる。私もNGO(Non−Governmental Organization)の活動を長年続けているのだが、それぞれの先生たちが熱心に準備してきているので、話に釣り込まれてしまう。国が独立するまでにどんなに苦労したか、なぜ国旗を大切にするか、食べ物、習慣、気候の違いなど、丁寧に日本語で分かりやすく話してくれる。日本の著名な大学の博士課程で研究をしている方達ということもあってか、帰国してどのような立場で国に貢献するか、大変に志が高いし、勉強の出来るという環境があるという日本の状況の大切まで語る留学生もいて、胸が熱くなる。
生徒たちは聞きたい先生のクラスに分かれて留学生から話を聞く。先生は、このプログラムのために4,5人〜7,8人くらい来る。そして、毎回、韓国の留学生は、特に男子に人気が高いのを知って驚いた。どうも韓国のスポーツ選手が活躍するなどに興味があって、生徒たちは韓国の野球選手などの名前をよく知っている。私は、韓流スターに夢中の女性たちが多い事は知っていたが、若い日本の世代もこんなにお隣の国にも興味があるとは知らなかった。そして反対に、韓国に行くと韓国の学生たちが日本のアニメやドラマ、日本の歌手に大変熱中していることを聞いたが、サッカーワールドカップで韓国熱がブレイクし始めた10年ほど前から更に、今や相思相愛の状態なのだと、認識を新たにした。これまでの日韓関係のトラウマを一新してきていることも知ることが出来て、私としては嬉しい体験だった。写真上は、韓国の男子の民族衣装を着てみたいという新木小の生徒たちが並んでいるところ。留学生の話によると男子の服はピンク(写真・下)もよくあるのだということで、韓国は男女の色にもこだわりがないのかと、知ってるつもりが知らないことばかりだと改めて感じた。
ところで、我孫子にホームステイに来た人たちから、我孫子の印象*は非常に良いのを聞いたばかりだったが、留学生は先生の人たちも我孫子の雰囲気がとても気に入って「また我孫子に来て話をしたい」と真顔で言われた。我孫子に住んで当たり前になっている街の様子が、実はとても得難いものであると言う事を、我孫子に訪れる人から聞いて気付かされる。この街のおだやかな環境は世界の人々に人気が高い。そして、それはこのおだやかな土地に育まれた生徒たちの態度ばかりでなく、すべからく我孫子の優しさ、おだやかさが伝わっていくからなのだろうかと思ったりした。いつの日か、世界の人たちから一度は来て見てみたい街と認識されて、もっともっと人が訪れる、「世界の中の我孫子」になる日もあるような気もしてきた。
*ホームステイに来た学生からの感想文(12/24ブログ)