堺市は、大阪府で一番最初の中核都市で、「日本女性会議2009さかい」(実行委、堺市主催、毎日新聞社など後援)は4000人規模のコンベンションで、市民会館をメイン会場にして開幕した。全体会における基調報告と対談の後は、17の分科会が各会場をホテルに分散して行われた。
開会式で、大國美智子・実行委員長は「今年は、女子差別撤廃条約が国連で採択されて30年、男女共同参画社会基本法の制定から10年の節目。女性の地位は向上したが、まだまだ課題が多い」とあいさつした。大国美智子実行委員長は「意思決定過程にどれだけ女性が参画できているかが重要。女性の議員数や技術者、専門職、管理者数などが問われている」と話し、性別にとらわれることなく個性、能力を発揮できる社会の実現を呼びかけた。その後、「女子差別撤廃条約と国際社会の役割」林陽子(弁護士)、李節子(大学教授)の対談が行われた。
堺は、全国初の「男女共同参画都市」宣言や府内初の「堺市男女平等社会の形成の推進に関する条例」の制定など、全国的にも男女平等社会の実現に向けた先進的な取り組みを積極的に推進してきた都市のひとつです。ジェンダーフリーの国際的な潮流の中で、堺市は常に我が国の男女平等政策をリードしてきした。揺るぎないジェンダーフリー推進施策をこれからも推し進めています。女子差別撤廃条約の批准を受け、全国に先駆けて堺市は男女混合出席簿を幼稚園と小学校においては平成2年4月から、中学校においては平成3年から3年間かけて導入しています。その動きが全国に広がり、全国の男女平等教育の推進にも影響を与えています。その後、堺市では平成14年4月に堺市男女平等社会の形成の推進に関する条例が制定されています。
中世においては、わが国有数の自由都市として国内外の交流を積極的に進め、創造性と自立の精神を育みました。千利休が築いた茶の湯の文化は、世界に誇る平和を尊ぶ文化として、おもてなしの心とともに今も堺の街の中に受け継がれています。また、与謝野晶子の生誕の地であり女性の自立と社会参加の推進に最も積極的な都市です。堺市にある、女性センターは今年で30周年を迎え、女性の自立を支援する活動に取り組んできました。そして、国連の機関UNIFEM・「国連女性開発基金」(本部はニューヨーク)が、アジアでは初めて、世界で4番目という事務所を堺市に開設しました。しかも、堺で開催の日本女性会議初日の前日でした。4000人とも言われる参加者に交じって、久々の熱気を感じながら、遅々として進まない女性の政治参加の実態に諦めることなく、久々に会った各地の女性議員らとともに頑張っていこうと意識を高める事ができました。